映画 ラン RUN 毒母と娘のもつれた戦い 逆転の連続に眼が離せない=芝山幹郎
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味方だと思っていたら、凶悪な敵だった。しかも、桁外れの害毒を及ぼす敵。
そんな悪魔的存在を描き出した映画は少なくない。古くは、「ガス燈」(1944年)の新妻(イングリッド・バーグマン)を追い込む夫(シャルル・ボワイエ)がいた。下っては「カッコーの巣の上で」(75年)の看護師ルイーズ・フレッチャーや、「愛と憎しみの伝説」(81年)の毒母フェイ・ダナウェイ。
話の展開からいうと、「ラン RUN」もこの系譜に属する映画だ。主な登場人物は母と娘。17歳の娘クロエ(キーラ・アレン)は喘息(ぜんそく)や糖尿病や筋肉機能不全を患い、車椅子での生活を余儀なくされている。
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週刊エコノミスト
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