国債購入による量的緩和相場はもう限界=市岡繁男
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限界を迎えた超金融緩和相場=市岡繁男
2008年のリーマン・ショックに際し、米政府はMMF(マネー・マーケット・ファンド)の政府保護を打ち出した。一部のMMFが元本割れとなり、取り付け騒動のような形で資金が流出したからだ。MMFの運用会社は外銀等が発行する短期証券の購入を拒否し、資金繰りに窮した外銀は保有資産の売却を余儀なくされた。
一連の対策が奏功し悪循環は収まったが、いまMMFの弱点が形を変えて再浮上してきた。米連邦準備制度理事会(FRB)は銀行等が保有する国債を毎月1200億ドル購入している。銀行等はその売却代金を短期金融市場で運用するが、供給が多過ぎてマイナス金利すれすれだ。
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週刊エコノミスト
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