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経済・企業 ワシントンDC

ポップコーンの溶かしバター装置は使えなくても、米国で映画館再開の喜び=溝口健一郎

再開から間もない館内は人もまばら 筆者撮影
再開から間もない館内は人もまばら 筆者撮影

コロナ禍から映画館再開 動画配信に優る喜び=溝口健一郎

 新型コロナウイルスによってダメージを受けた産業は多いが、映画館は最悪の被害者の一つだ。例えば、米映画館チェーン3位のシネマーク・ホールディングスは、42州で325の映画館を運営するが、2021年1~3月期の売り上げは前年同期比8割減の1億1400万ドル(約125億円)にとどまった。現在、米国では、各種エンターテインメント施設も徐々に再開している。

 筆者は昔から映画ファンで、コロナ禍の前は近所の映画館に月に2回は足を運んでいたが、この1年は全く行っていなかった。よく通った三つの映画館のうち、一つは閉鎖を決定し、もう1館は再開時期を検討中だ。最大手チェーンAMCの映画館のみ再開したので、6月初旬、1年数カ月ぶりに妻と鑑賞に出かけた。選んだのは当地で5月28日から公開されているディズニー新作「クルエラ」。チケットは時間帯割引があって1人9・39ドル(1000円超)だった。

 事前にネットで席を予約すると、自動的に両隣の席はブロックされる。ワクチン接種を完了している観客はマスク着用は求められないが、希望すれば1枚1ドルで販売もしている。従業員は全員マスク着用だ。米国の映画館で定番のポップコーンは買えるが、自分で好きなだけ溶かしバターをかけられる装置は、不特定多数が装置を触らないようにするためか、使用禁止のままであった。

 対照的にコロナ禍…

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