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教養・歴史 アートな時間

美術 ランス美術館コレクション 風景画のはじまり コローから印象派へ=石川健次

クロード・モネ≪ベリーㇽの岩礁≫ 1886年Inv.907.19.191 ランス美術館 
クロード・モネ≪ベリーㇽの岩礁≫ 1886年Inv.907.19.191 ランス美術館 

アトリエを飛び出し、戸外へ 新たな制作現場へのこだわり

 シャンパンで有名なフランス、シャンパーニュ地方のランス市にあるランス美術館は、19世紀フランスの風景画コレクションで知られる。本展には、この豊かなコレクションから珠玉の風景画が並ぶ。自粛で遠出を控えている今、せめて絵のなかで……と千変万化の風景を楽しむうち、コローと印象派にとりわけ関心を抱いた。作品はもちろん、いやむしろ作品が描かれた場所、言い換えれば画家の制作現場に、だ。

 肖像画などの背景に過ぎなかった風景は、次第にそれらと肩を並べ、風景だけを意識的に描く風景画が誕生する。19世紀に入ると鉄道を中心に交通網の整備が進み、またチューブ入り絵の具が発明され、画家はアトリエを飛び出し、戸外にイーゼルを立てて風景画に熱狂した。風景を前に、まさにその場所が、新たな制作現場になった。

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