教養・歴史アートな時間

映画 SEOBOK/ソボク クローンと病。二人の闘いと共に「生命とは何か?」を問う=寺脇研

    (c)2020 CJ ENM CORPORATION, STUDIO101 ALL RIGHTS RESERVED
    (c)2020 CJ ENM CORPORATION, STUDIO101 ALL RIGHTS RESERVED

    「ソボク」とは、秦の始皇帝の命を受け不老不死の薬を求めて果てしない旅に出た学者・徐福(じょふく)の韓国語読みである。東へ向かい朝鮮半島や日本に至ったとある「徐福伝説」の主人公だ。佐賀県をはじめ全国各地に伝説の足跡を持つ日本だけでなく、韓国でも済州島などに故事は伝わっている。

     その名をもらった謎の少年は、生命科学の粋を集めて秘密裏に開発された世界初のクローン人間なのである。クローンは永遠の生命を持つ。それが命名のゆえんだ。しかし、彼を作りあげた研究者たちの動機には不純なものがある。クローンの遺伝子を使って人間を不死にするためのものなのだ。要するに金儲けの材料。

     せっかくこの世に生を受け、老化も死も免れるという始皇帝が夢見た肉体を持っているにもかかわらず、秘密の研究所の実験室に閉じ込められて外界を知らぬままだ。連日、人類を不死化するために必要な成分と思われるDNAを抽出するため苦痛を伴う生体実験が施されるのだから、まるで実験動物と同じ扱いではないか。優秀な知能と人間並みの自意識を有しているだけに内面では不満を感じているのだろうが、状況を従順に受け容れてい…

    残り712文字(全文1195文字)

    週刊エコノミスト

    週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
    有料会員になると、続きをお読みいただけます。

    ・会員限定の有料記事が読み放題
    ・1989年からの誌面掲載記事検索
    ・デジタル紙面で過去8号分のバックナンバーが読める

    通常価格 月額2,040円(税込)

    週刊エコノミスト最新号のご案内

    週刊エコノミスト最新号

    12月7日号

    東証再編サバイバル18 収益性底上げへの“荒業” 日本株再起動の起爆剤に ■稲留 正英/中園 敦二24 インタビュー1 再編の狙いに迫る 山道裕己 東京証券取引所社長 「3年後には『経過措置』の方向性 プライム基準の引き上げもありうる」27 やさしく解説Q&A 東証再編/TOPIX改革/CGコード改 [目次を見る]

    デジタル紙面ビューアーで読む

    おすすめ情報

    最新の注目記事