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コロナで再び銃犠牲者が増える米国=市岡繁男

コロナで再び銃犠牲者が増える米国=市岡繁男

 2015年秋、米プリンストン大学の論文が翌年の大統領選に影響を与えた。それは米国の白人・中高年層(45~54歳)の死亡率に関するものだ。先進国では通常、どの年齢層だろうと死亡率(人口10万人当たりの死亡者数)が趨勢(すうせい)的に低下する。実際、日本や欧州はもとより、米国でも中南米系移民や黒人の死亡率は年々改善している。ところが米国の白人・中高年層だけは1998年以降、死亡率が上昇していた(図1)。

 同論文によると、中高年層の死因はこれまで肺がんが最多だった。それが98年ごろから肺がんによる死亡者が漸減し、代わりに薬物・アルコール中毒による死亡者が増加、11年から順位が逆転する。また自殺や肝炎による死亡者も大幅に増加し、中高年層の死亡率を押し上げた。それも、最終学歴が中高卒者の死亡率だけが急増。その背景には海外への工場移転に伴う労働者層の失業問題があった。

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