教養・歴史 書評

教科書にも載る「昔話」は、中国共産党のプロパガンダだった

歴史書の棚 教科書掲載の「昔話」は実はプロパガンダだった=加藤徹

 小学2年生が国語の教科書で習うモンゴルの「昔話」は中国共産党のプロパガンダだった。ミンガド・ボラグ『日本人が知らない「スーホの白い馬」の真実』(扶桑社新書、1100円)の内容は衝撃的だ。本書は、同著者が2016年に出した本を加筆修正した新刊で、モンゴル・中国・日本の激動の近現代史を浮き彫りにする好著だ。

『スーホの白い馬』のあらすじは──昔々、モンゴルの草原の貧しい少年・スーホは、白馬と仲良く暮らした。悪い殿様がスーホの白馬を奪った。白馬はスーホを慕って逃げ出す。殿様の家来は白馬に追いつけず、弓で矢を射た。白馬はスーホのもとに逃げ帰り、息絶えた。スーホは白馬の骨や皮で楽器を作る。これが馬頭琴の起源である……。

残り588文字(全文928文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

5月14日・21日合併号

ストップ!人口半減16 「自立持続可能」は全国65自治体 個性伸ばす「開成町」「忍野村」■荒木涼子/村田晋一郎19 地方の活路 カギは「多極集住」と高品質観光業 「よそ者・若者・ばか者」を生かせ■冨山和彦20 「人口減」のウソを斬る 地方消失の真因は若年女性の流出■天野馨南子25 労働力不足 203 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事