教科書にも載る「昔話」は、中国共産党のプロパガンダだった
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歴史書の棚 教科書掲載の「昔話」は実はプロパガンダだった=加藤徹
小学2年生が国語の教科書で習うモンゴルの「昔話」は中国共産党のプロパガンダだった。ミンガド・ボラグ『日本人が知らない「スーホの白い馬」の真実』(扶桑社新書、1100円)の内容は衝撃的だ。本書は、同著者が2016年に出した本を加筆修正した新刊で、モンゴル・中国・日本の激動の近現代史を浮き彫りにする好著だ。
『スーホの白い馬』のあらすじは──昔々、モンゴルの草原の貧しい少年・スーホは、白馬と仲良く暮らした。悪い殿様がスーホの白馬を奪った。白馬はスーホを慕って逃げ出す。殿様の家来は白馬に追いつけず、弓で矢を射た。白馬はスーホのもとに逃げ帰り、息絶えた。スーホは白馬の骨や皮で楽器を作る。これが馬頭琴の起源である……。
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週刊エコノミスト
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