教養・歴史小川仁志の哲学でスッキリ問題解決

最近、生きづらさを感じるのですか、どうすればいいでしょうか=小川仁志

誤解を恐れて発言ひとつにもびくびく。最近すごく生きづらさを感じます /93 

 Q 誤解を恐れて発言ひとつにもびくびく。最近すごく生きづらさを感じます。

 A 自分の存在を確としたものに変える「コナトゥス」の力を引き出そう

 発言が誤解を招いて人間関係が悪くなったり、コロナ禍での行動制限もあって、最近すごく生きづらさを感じます。周りに聞いてみても、どうも私だけではないようです。もやもやしたこの気持ちを、どう解決すればいいでしょうか?

(事務職・20代女性)

 先日、私も若い人たちと対話をする機会がありましたが、同じような生きづらさを感じている人が多かったのです。おそらく原因は、一つではないのでしょう。相談者が言うように、コロナによる行動制限もそうですし、自由にものを言いにくい風潮もそうでしょう。

 ちなみに私の場合は、テクノロジーが発展し過ぎて、うまく使いこなせていない点に生きづらさを感じています。

 したがって、理由は人によってさまざまであるため、それぞれが社会とうまく折り合いをつけて生きていくよりほかありません。そこで参考になるのが、17世紀オランダの哲学者スピノザの思想です。

 スピノザによると、何事にも自分の存在を維持しようとする力があると言います。それを「コナトゥス」と呼んでいます。

刺激への対応力育成

 人間には本来的な活動能力が備わっているはずなのですが、外部的な要因によって、それが制限…

残り814文字(全文1414文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事