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資源・エネルギー 鎌田浩毅の役に立つ地学

実は巨大な火山だった北アルプスの成り立ち=鎌田浩毅

日本のアルプス/2 かつて巨大な火山だった「北」/65 

 日本でも屈指の3000メートル級の山岳地帯である北アルプスは、かつて巨大な火山だった。北アルプスの最高峰は標高3190メートルの奥穂高岳で、富士山、南アルプスにある北岳に次いで日本で3番目に高い山である。

 北アルプスが南アルプスや中央アルプスと異なる点は、火山の存在である。活火山と認定された立山や焼岳があるだけでなく、雲ノ平などの溶岩台地が基盤をなしている。さらに「巨大噴火」の産物も山岳を作っている。実は、登山家に人気の槍(やり)ケ岳や穂高連峰は、高温の火砕流でできた火山岩なのである。さらに、これらの西にある笠ケ岳も大噴火によってできた。

 槍ケ岳・穂高連峰では「溶結凝灰岩(ようけつぎょうかいがん)」と呼ばれる岩石が露出している。軽石や火山灰として大量に空中へ放出されたものが、再び溶岩のように硬く固まったものである。セ氏900度を超える高温のマグマが、時速100キロという高速で地上を流れ、数十キロの範囲を埋めつくした。

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