上高地で「花崗閃緑岩」が必見なワケ=鎌田浩毅
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日本のアルプス/4 花崗閃緑岩が必見の上高地/67
日本有数の避暑地である長野県の上高地には、明治時代に日本アルプスを世界へ紹介したイギリス人宣教師の登山家ウォルター・ウェストンの碑がある。彼を描いたレリーフが埋め込まれた岩は、上高地の成り立ちと歴史を秘めた「花崗閃緑岩(かこうせんりょくがん)」と呼ばれる岩石である。
花崗閃緑岩はマグマがゆっくりと冷え固まってできたもので、穂高連峰の西側には滝谷(たきだに)花崗閃緑岩が広大に広がっている。これは、火山の巨大噴火により陥没カルデラができてしばらくした後、残っていたマグマがゆっくりと冷え固まったものだ。実は、ウェストン碑の背後にある岩は、マグマが固結した岩石としては世界一新しいものなのだ。
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週刊エコノミスト
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