御嶽山噴火災害の重い教訓
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日本のアルプス/5 御嶽山噴火災害の重い教訓/68
2014年9月27日、長野・岐阜県境にある北アルプスの活火山、御嶽山(3067メートル)が突如として噴火し、火口周辺にいた登山客を直撃した。死者・行方不明者は合わせて63人に上り、戦後最悪の噴火災害となった。
噴火では火山灰を大量に含む噴煙が火口から7000メートルも上昇し、岩石を四方八方にまき散らした。火口から半径1キロ以内に200人を超える登山者がいたと見られるが、死因の多くは頭や背中に噴石が直撃した損傷死だった。
噴火のタイプは、地下深部にある高温マグマの熱によって地下水が熱せられることで起きる「水蒸気爆発」だった。水が沸騰して急激に水蒸気が発生し、火口周辺の岩石を砕いてまき散らす。噴火の規模が大きくないにもかかわらず、人的な被害が起きうる危険な現象である。
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週刊エコノミスト
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