1年半以内にリーマン・ショック級の危機再来か
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1年半内にリーマン級の金融危機か=市岡繁男
ロシア中央銀行は9月に発表した年次金融予測の中で、1年半以内にリーマン・ショック級の金融危機が起きる可能性を指摘した。物価上昇に直面した米連邦準備制度理事会(FRB)は利上げを余儀なくされ、世界経済は急激に悪化するというのだ。既に新興国ではインフレ圧力が高まっており(図1)、ロシアやブラジル等は今年、政策金利を引き上げている。
物価急騰の元凶は昨年3月以降、政府が5兆ドル、FRBが4兆ドルを投じた米国の過剰な景気刺激策だ。今年は毎週300ドルの手当を受給し、各種ローンの返済も猶予された国民は消費ブームの真っただ中にある。量的緩和策で潤った富裕層も高額品を買い求めるなど、一国全体で膨大な商品需要が生まれた。これでは物価上昇は当然だ。
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週刊エコノミスト
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