放置「空き家」に課税を
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放置「空き家」に課税を/109
2033年には空き家数が1900万戸を超え、3件に1件以上が空き家となることが見込まれる。人口・世帯減は現在も“順調”に進行する一方で、新築住宅の量産が続く。今回は住宅政策のうち他の先進国にあり、日本に足りない2点の政策提言をしたい。
まず、空き家課税だ。例えば「3年以上何もせずに放置した空き家について課税する」といった政策。空き家をただ放置しているだけの不作為を除外するのが目的だ。「賃貸も売買活動もせず3年経過したもの」など条件を設定する。ただ、売却や賃貸で市場に出すなどの努力はしているものの、空き家になっているケースは課税対象から除き、無駄に放置された空き家のみを課税対象として外部不経済(市場を通じて行われる経済活動の外側で発生する不利益)を回避する。
固定資産税の取り扱いにも問題がある。現在、一戸建ては取り壊さずそのままにしておけば、その土地は「宅地」の扱いとなり、固定資産税が6分の1に軽減される特例措置がある。これでは、わざわざ費用をかけて建物を取り壊し、高い税金を払おうという人はいない。このことが、空き家をそのまま放置しておく大きな理由にもなっていた。この特例措置は、そもそも、まだ高度成長期で住宅数が全く足りない時代に、市街地の空き地に住…
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週刊エコノミスト
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