教養・歴史アートな時間

舞台 通し狂言 伊勢音頭恋寝刃 実際の事件に材を取ったドラマ 中村梅玉があたり役の貢に挑む=小玉祥子

    『伊勢音頭恋寝刃』福岡貢(中村梅玉) 国立劇場提供
    『伊勢音頭恋寝刃』福岡貢(中村梅玉) 国立劇場提供

     伊勢国古市(三重県伊勢市)の遊郭の茶屋、油屋で、地元の医師、孫福斎が、なじみの遊女が他の客の座敷に移ったことに腹を立てて起こした殺傷事件に題材を得た歌舞伎「伊勢音頭恋寝刃」が、東京・国立劇場で26日まで上演中だ。

     主人公は孫福斎ならぬ福岡貢(みつぎ)。職業は医師から伊勢神宮の参詣者の世話をする御師(おんし)とされ、妖刀「青江下坂」をめぐるお家騒動がからむ。上演頻度の高いのは、殺人が起きる場面の「古市油屋」だが、今回はその前に、貢がなぜ青江下坂を探索するのかがわかる序幕を付けた丁寧な上演で、「二見ヶ浦」など伊勢の名所風景も織り込まれる。

     阿波国(徳島県)の家老の息子、今田万次郎は放蕩(ほうとう)の末、将軍家へ献上する名刀の青江下坂を質入れして折紙(鑑定書)まで御家横領を狙う徳島岩次一味にだまし取られてしまう。万次郎の家来筋にあたる福岡貢は、万次郎の叔父、藤浪左膳から青江下坂と折紙の探索を頼まれる。

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