NYダウは89年の日本株とうり二つ=市岡繁男
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証券界には、年末に向けて株価が上昇することを指す「掉尾(とうび)の一振(いっしん)」という言葉がある。1989年暮れの2カ月間はまさにその通りの展開だった(図1)。特に好材料があったわけではないが、株式先物オプションに大口の買いが入り、空売りの買い戻しを誘ったことが相場急騰の原因だ。そんな実体のない株高が一巡した後に、金利上昇と円安が加速したのだから株価暴落は必然だった。
いまの米国株も、先物に投機的な買いが入れば、売り方の踏み上げで思わぬ株高となろう。異常ともいえる株価水準を警戒し、ヘッジ売りを入れた投資家も多いからだ。そんな妄想を抱いたのは、最近のNYダウ指数の日足がバブル末期の日経平均とうり二つだからだ(図1)。通貨単位の違いはあるものの株価の絶対値は同じで、長期金利の動きもよく似ている(図2)。
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週刊エコノミスト
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