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1970年代のインフレと金相場=市岡繁男

1970年代のインフレと金相場=市岡繁男

 1970年代2度にわたるオイルショック時は、実質金利がマイナスだった(図1)。当時の状況を振り返ると、73年1月に3・6%だった消費者物価(CPI)上昇率は、第1次オイルショックの影響で74年末は12%台に跳ね上がっている(図2)。そして金はこの間の物価高騰で3倍に急騰した。だが長期金利は6・5%から8・4%の上昇にとどまり、CPIに追いつくことはなかった。

 これはFRB(米連邦準備制度理事会)の中で、「物価上昇は一時的」という思い込みがあり、積極的に対処しなかったからだ。実際、物価上昇率は77年には5%前後に低下し、その読みは正しかったかに見えた。ちなみに金はこの間、193ドルから106ドルと半値になっている。

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