「独裁者」毛沢東の「革命思想」はいかにして波及したか=楊逸
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欧米の若者も飛びついた「革命思想」を検証する=楊逸
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この週末、近所の公園で、生産者が自ら野菜や加工食品を直売するイベント「太陽のマルシェ」が再開された。産地直送の野菜や果物、自家製のパンやみそを2年ぶりに手にして、感激した。
「太陽」といえば、『マオイズム〈毛沢東主義〉革命 二〇世紀の中国と世界』(程映虹著、劉燕子編訳、集広舎、4950円)のタイトルに、「譲毛沢東思想照亮全球(毛沢東思想が全地球を照らすように)」のスローガンを力ずくで叫んでいた子供時代の自分を思い出す。
毛沢東思想が「Maoism(マオイズム)」として欧米でも流行したのをフランスの哲学者ミシェル・フーコーの本で知って至極驚いた。1960年代から80年代にかけて独裁者の毛沢東に傾倒し、中国紅衛兵の格好をして、『毛沢東語録』を手にした若者がパリの街頭に出没していたらしい。
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週刊エコノミスト
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