経営の論理が浸透した労働者が同僚をいじめて排除する
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『大人のいじめ』
◆著者 坂倉昇平さん(ハラスメント対策専門家)
経営の論理が浸透した労働者が同僚をいじめて排除する
神戸市の小学校で2019年、教師たちが同僚に行っていたいじめが発覚。その行為のすさまじさが注目を集めたが、眉をひそめているだけでは済まない日本の職場の荒廃を本書は示す。
15年来、労働相談に携わってきた坂倉さんは、事件についてのテレビ出演を機に書籍の執筆を依頼され、相談で接してきた“職場のいじめ”の数々を振り返った。背景に見えてきたのは、働く人々の意識の変容だ。
「『どうして会社に人間性を譲り渡しているんだろう』と感じていたことを言語化しました。会社への服従が最優先になり、従えない人を自発的にいじめて排除しようとしている。労働者を安く長く働かせることで利益を上げる経済のなかで、労働者の内面にも経営の論理が浸透しきっていることに危機感を抱いています」
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週刊エコノミスト
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