妄執に年齢関係なし。老年夫婦の生臭い三角関係描く=勝田友巳(映画)
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映画 なん・なんだ くすぶり続ける生臭い性と生 老年夫婦の三角関係描く=勝田友巳
古い団地に住む三郎と美智子の夫婦は、結婚して40年になろうとしている。三郎は引退した大工で、日がなすることもなく、いそいそと化粧をして文学教室に出かける美智子を送り出す。夕方になって三郎は、美智子がいるはずのない京都で交通事故に遭い、昏睡状態だと知らされた。病室に駆けつけると、美智子の荷物からカメラが見つかって、中のフィルムには見知らぬ男が映っていた。
長年連れ添った夫婦の秘密が明らかになって、関係を見つめ直す。人生の黄昏(たそがれ)に訪れた危機、ならよくあるテーマでも、この夫婦はただならぬ生臭さ。三郎は美智子の浮気を知って、激しく動揺する。愛情か嫉妬か、その執念たるやすさまじい。ずっとほったらかしだったくせに、他人に寝取られていたと知って、いても立ってもいられない。猛然と走り回る。写真を手がかりに美智子の過去をたどり、京都から奈良へと探索して…
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週刊エコノミスト
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