オミクロン、軽症ならインフレ低下 英国で楽観論が台頭、利上げに警戒=増谷栄一
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昨年12月、イングランド銀行(英中銀、BOE)はインフレ抑制のため、先進国の先陣を切って利上げに踏み切ったが、英国で新型コロナウイルスの変異株オミクロン株が猛威を振るい、感染拡大阻止の規制強化によるインフレ加速が沈静化するため、金融引き締めを急ぐべきではないとの論調が広がっている。
同変異株の影響について、米ゴールドマン・サックスが11月末に四つのシナリオを提示。一つ目は「悲観的」で、オミクロン株の感染力が強く、2022年1~3月の世界経済は成長率が減速、二つ目は「最悪」で、重症化率と入院率が大幅に悪化し世界経済に大打撃、三つ目は「過剰反応」で、同変異株の感染力は弱く、世界景気とインフレ影響は限定的とした。注目は四つ目の「楽観的」。感染力が強い半面、症状は軽症で、物資の需給と労働力不足が改善して、インフレ率が低下するシナリオだ。
英紙『デイリー・テレグラフ』の著名コラムニスト、アンブローズ・エバンス・プリチャード氏は11月30日付で、「楽観的な予想で着陸する。英米、メキシコ、ブラジル、インドなど『コロナとの共生』の傾向が強い国は、制限が緩いため非常に早く正常に戻る」と指摘。さらに、「中国は、ウイルスを抑圧する『ゼロコロナ』戦略に固執し、デルタ株によりドイツ、オランダ、中欧諸国で医療が危機に瀕(ひん)し、フランスでも厳しい対策が必要となっているが、オミクロン株では従来とは正反対の対応が必要だ。ゼロコロナ戦略の国では、強制的な活動制限の正当化が困難となり、ウイルス抑圧戦略は世界中で急速に崩壊する」と予想する。
賃金上昇は一時的か
英国では現在、労働者不足による賃金上昇がインフレを加速し、緊急利上げが必要になるか、またはオミクロン株拡大により、景気が減速してインフレが低下し、利上げ…
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週刊エコノミスト
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