国際・政治論壇・論調

ウクライナ国境に露軍10万人、NATOに試練=熊谷徹

    NATOを挑発するプーチン大統領(モスクワ) Bloomberg
    NATOを挑発するプーチン大統領(モスクワ) Bloomberg

    ウクライナ国境に露軍10万人 欧州緊張、NATOは正念場=熊谷徹

     ロシアがウクライナ国境付近に約10万人の兵力を集結、欧米諸国が受諾し難い要求を突き付けた。欧州で緊張が高まっている。

     ドイツの保守系紙『フランクフルター・アルゲマイネ』(FAZ)は、2021年12月18日付紙面で、「プーチン大統領がウクライナに圧力をかける最大の理由は、北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大に歯止めをかけるため」と報じた。同紙によると、ロシアは米国とNATOに新条約草案を送り、NATOが08年の首脳会議で、ウクライナなどに示したNATO加盟の可能性を撤回すること、1999年以降NATOに加盟した東欧諸国に追加的な部隊・兵器を配備しないこと、これらの国々での軍事的活動をやめることを要求している。

     さらには、NATOがロシアに到達できる中距離ミサイルを配備しないことや、米国が東欧諸国に配備した核兵器を撤去すること、これらの国々との軍事協力を一切行わないこともロシアは求めている。プーチン氏は、NATOの東方拡大が旧ソ連諸国に及ぶのを防ぐために、ウクライナ侵攻というカードをちらつかせている。

     FAZは、「NATOは条約草案について、ロシアと話し合う用意があるとしているが、ウクライナのNATO加盟の可能性を撤回することは断固拒否している。西欧諸国と米国は、ウクライナのNATO加盟は、ウクライナとNATO諸国が決めることで、ロシアが口出しすべきではないと考えている」と指摘した。

     ドイツの保守系日刊紙『ヴェルト』は、12月22日付電子版に、西側外交筋の情報として、「NATOは、ロシアがウクライナに侵攻する事態に備えて、4万人の特殊部隊の兵士から成るNATO即応部隊(NRF)の警戒レベルを引き上げ、緊急事態が起…

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