インド　南部の伝統「雄牛レース」再開＝中島敬二

　インド最高裁判所は2021年12月15日、商都ムンバイがある西部のマハラシュトラ州にて17年から禁じられていた雄牛レースの再開を認めた。インド全土の村々で行われてきた伝統的なレースで、1960年に「動物虐待防止法」が制定された以降も実施されていた。しかし14年に最高裁は、「不必要な苦痛を牛に与えた」との理由からレースを禁じていた。

　17年になると最高裁は、防止法を改正することでレース実施を認めるとの決定を出し、南部タミルナード州と同カルナタカ州が動物虐待防止法を改正、雄牛レースを再開した。しかし、マハラシュトラ州では高等裁判所がこれに反対。州政府が最高裁に上告していた。