英でインフレ加速、家計を直撃 勢い増すジョンソン首相退陣論=増谷栄一
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英国では4月からガス・電気料金の末端価格の上昇に加え、増税が貧困世帯の家計を直撃する。貧富格差が拡大し、新たな社会問題の火種となり、ジョンソン首相の早期退陣論が日増しに高まっている。
英有力紙『サンデー・タイムズ』は1月5日付で新年の経済予測を発表し、「共通テーマは少なくとも今年前半、英国は生活費の高騰の危機に陥ることだ。消費者物価指数はすでに年率5%上昇を超え、今後はさらに加速する」と警鐘を鳴らした。
家計危機の最大の原因はガス・電気などのエネルギー料金の高騰だ。4月から政府はエネルギー料金の価格抑制上限(キャップ)を50%超引き上げるため、インフレ率は4月に前年比7・25%上昇に押し上げられる見通しだ。キャップ引き上げによる家計のエネルギー関連支出額は1世帯平均で年間700ポンド(約11万円)増加する。
インフレ上昇による賃金引き上げがインフレをさらに加速させるという懸念が英国を襲っている。英コンサルティング会社キャピタル・エコノミクスのロジャー・ブートル会長も1月2日付の英紙『デーリー・テレグラフ』で、「物価圧力の背景には、逼迫(ひっぱく)する労働市場と潤沢な資金供給量がある。1回限りだったはずの供給側からの物価上昇圧力が簡単に一般化し、賃金のより速い引き上げにつながり、さらなる物価急騰を促す」と指摘する。
これに加えて、4月からの国民保険料の年120億ポンドの引き上げなどの増税が貧困世帯に追い打ちをかける。英金融専門サイトの「マネー・セービング・エキスパート」を主宰するマーチン・ルイス代表は1月4日付テレグラフ紙で、「暖かく過ごすか、食べ物を優先するかを選択する必要がある人々をどのように保護できるか、我々は今検討すべきだ」と指摘する。エネルギー問題の専門機関コーンウ…
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週刊エコノミスト
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