銀行が信じられていないミャンマーで「信用保証制度」を作った銀行員の奮闘記=北條一浩(編集部)
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『ミャンマー金融道 ゼロから「信用」をつくった日本人銀行員の3105日』
◆著者 泉賢一さん(住友林業勤務)
金融概念のない国に一人で赴任 保証制度構築までの激闘の日々
昨年2月1日にクーデターが発生し、国軍の支配下にあるミャンマー。しかし、こうなる前の2010年代は民主化と経済開放が進み、「最後のフロンティア」として世界の注目を集めていた。三井住友銀行の社員だった泉賢一さんにミャンマー行きの辞令が出たのは13年4月1日。たった一人で行けという。この時、47歳。そしてミャンマーは、想像もつかない経済観念の国だった。
「国民の大半が一度も銀行に行ったことがない国です。当時は中央銀行が財務省の一組織であり独立していなかったので、純粋な金融制度のガバナンスが働いていませんでした。民間銀行は30行くらいありますが、最大手のカンボーザ銀行だけでマーケットシェアの30%以上あります」
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週刊エコノミスト
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