インフレ原因は「企業の強欲」 米大統領発言に専門家が苦言=岩田太郎
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米国で高進を続ける物価上昇の主な原因を巡り、バイデン大統領が「強欲な企業による便乗値上げ説」を唱え、経済論壇に賛否両論が巻き起こっている。
バイデン氏は1月3日に、消費者物価指数(CPI)における食肉・魚肉・鶏卵の品目が昨年11月に前年同期比12・8%急騰した事態を受け、「(食肉加工の分野で大手企業の寡占が進む中)競争なき資本主義は(便乗値上げによるインフレを悪化させるため)、資本主義ではなく搾取だ」と述べ、独立系の食肉加工工場の建設に10億ドル(約1150億円)を投じて食肉の値段を落ち着かせるとの計画を発表した。
また、米ニュースサイト「インサイダー」も2月12日付の解説で、「インフレ上昇の理由の一つは単純で、新型コロナウイルスによる世界的な供給網の混乱が波及したものだ。しかし、この問題が明日解消されたと仮定しても、物価上昇は収まらない。なぜなら、多くの米企業が便乗値上げで利益を増大させているからだ」との見解を紹介した。さらに同記事は、「米ジャーナリストのマット・ストーラー氏は値上げ分の6割が直接、企業利益の押し上げに使われたと推定したが、それらはもはや供給網混乱や原材料費上昇の域を超えたものだ」と指摘している。
物価抑制は「餅は餅屋」に
一方で、有力エコノミストを中心に、インフレ抑制は一義的に大統領の職責ではないとの意見も出されている。
ノーベル経済学賞受賞者でニューヨーク市立大学教授のポール・クルーグマン氏は1月18日付の米『ニューヨーク・タイムズ』紙への寄稿で、「バイデン大統領の寡占企業批判は、進歩派を含むあらゆる方面から非難された。理由として決して当たっていないわけではないが、それは小さな原因に過ぎない」と説明。「大まかに言って、物価の抑制は金融政策の領域に属するた…
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週刊エコノミスト
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