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教養・歴史 書評

あくびを観察できるほどに心許された夫妻の狼観察日記=美村里江

オオカミもあくびがうつる ともに寝起きした観察日記

×月×日

 米国大学の研究チームがオオカミのDNAを414頭85種の犬と比較したところ、最も類似しているのは「柴犬」だったそうだ。見た目が似ているシベリアンハスキーやシェパードではない、というのは意外だ。

『オオカミの知恵と愛 ソートゥース・パックと暮らしたかけがいのない日々』(ジム&ジェイミー・ダッチャー著、藤井留美訳、日経ナショナル・ジオグラフィック社、2090円)。ソートゥース・パックとは、米アイダホ州のソートゥース山地に生息するオオカミの群れの名前で、1990年から6年間にわたってこの地にテントを建てて寝起きした夫婦の観察記録だ。

 動物の観察においては人間を意識させないことが難しいと聞くが、彼らはオオカミたちに常に自分たちの姿を見せることで克服した。その上で、接触は極力控え、影響がないよう配慮。その結実は多岐にわたるが、本書に収められた写真が物語っている。全て白黒だが、人格ならぬ「オオカミ格」が漂ってきてどの写真も素晴らしい。

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