新規会員は2カ月無料!「年末とくとくキャンペーン」実施中です!

資源・エネルギー 鎌田浩毅の役に立つ地学

太陽系はどのように誕生したか―50億年前に起きていたこと=鎌田浩毅

太陽系が誕生するまで 46億年前に「星間物質」凝結/92

 今から約138億年前に宇宙が誕生して以後、地球はこれまで知られている中で唯一の「生命の星」である。地球は太陽系の第3番目の惑星であり、これまでおどろくほど安定した環境を保ってきた。こうした地球の歴史を考えるうえでも、太陽系がどのように形成されたかを見ていこう。

 太陽系は約46億年前に誕生したが、中心にある太陽は圧倒的に大きく非常に重い。太陽系では太陽の周りを8個の惑星とこれらの惑星を回る衛星、さらに無数の小惑星や彗星(すいせい)などが、太陽の引力によりコントロールされて周回している。実は、太陽系にある惑星を全部合わせても、太陽の質量の1%にも満たないほど太陽は巨大なのである。

 太陽系の誕生期には、宇宙空間に漂っていたガスや微粒子などの「星間物質」が、万有引力によって互いに引き付けられ集まっていった。ガスや微粒子は全て質量(重さ)を持っている。すなわち質量を持つものは、おのおのの重力で引き寄せられ、次第に凝結していくのである。

 やがて、ガスや微粒子は「星雲」と呼ばれる薄い星の雲となった。そして、星の雲が新たに凝縮し、我々の属する「天の川銀河」を作っていった。その銀河の中で、ひときわ大きな中心、すなわち「原始太陽系星雲」が誕生した(図)。

成長する「微惑星」

 その中心に小型の「原始太陽」ができ、宇宙空間に満ちていた星間物質がさらに結合し、徐々に太陽を巨大化させていった。ちなみに、星間物質の主成分は、水素92%とヘリウム8%である。そして、太陽系にある星間物質の99%以上は、一番大きな太陽の内部に存在する。

 やがて、太陽が十分に…

残り532文字(全文1232文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)が、今なら2ヶ月0円

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

12月3日号

経済学の現在地16 米国分断解消のカギとなる共感 主流派経済学の課題に重なる■安藤大介18 インタビュー 野中 郁次郎 一橋大学名誉教授 「全身全霊で相手に共感し可能となる暗黙知の共有」20 共同体メカニズム 危機の時代にこそ増す必要性 信頼・利他・互恵・徳で活性化 ■大垣 昌夫23 Q&A [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事