太陽系の惑星が岩石の「地球型」と氷の「木星型」に分かれたワケ=鎌田浩毅
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太陽系に誕生した惑星 岩石の「地球型」と氷の「木星型」/94
私たちの所属する太陽系は、宇宙の中にぽつんと浮かんでいる。今から50億年ほど前、宇宙空間にただよっていたガスが、ぐるぐると渦を巻いて集まり始め、その円盤の中心に大きな塊ができ「原始太陽」となった。
中心にある太陽が最大の質量と大きさを持つ塊だったが、それ以外にも微惑星が集まって太陽を回り始めた。太陽に近い場所では密度の大きい「岩石微惑星」が周回し、遠い場所では密度の小さい「氷微惑星」が周回した(図)。これらはさらに合体を繰り返しながらサイズを増し、半径が数千キロ以上の「岩石原始惑星」と「氷原始惑星」となるまで成長した。
そして、今から46億年ほど前に、水星や金星、地球、火星という岩石からなる惑星と、氷やガスを主体とする木星、土星、天王星、海王星というさらに外周を回る惑星が誕生した。また、その間の軌道には「小惑星帯」としてサイズの小さな天体が無数に取り残された。
こうして現在見ているような太陽系惑星のメンバーが勢ぞろいした。簡単にいうと、物質のすべてに作用する万有引力によって、太陽に近いほど密度の大きい惑星ができ、遠いほど密度の小さい惑星となったのである。
岩石からできた太陽から近い四つの惑星は「地球型惑星」と呼ばれる。地球型惑星はいずれも固体表面をもち、密度が大きく中心に鉄などの金属からなる「核」がある。核の中身は星の大きさによって異なり、地球や金星などの大きな惑星は、固体の「内核」と液体の「外核」に分かれる。また、火星や水星などの小さな惑星は、固体の核だけからできている。
また、核の周囲には岩石質の物質が層を成して取り巻いている。その大部分は「マントル」と呼ばれる厚い層からなり、マントルの表層には薄い「地殻」があ…
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週刊エコノミスト
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