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ベルギーが約8万4000点美術品を返還へ=平野光芳

王立中央アフリカ博物館に収蔵されている約7割の美術品がコンゴに変換される 王立中央アフリカ博物館ホームページより
王立中央アフリカ博物館に収蔵されている約7割の美術品がコンゴに変換される 王立中央アフリカ博物館ホームページより

コンゴ民主共和国 旧宗主国と美術品返還で合意=平野光芳

 コンゴ民主共和国政府は、植民地時代の旧宗主国であるベルギー政府と、約8万4000点にのぼる美術品の返還を受けることで合意した。ベルギーのデクロー首相が2月17日、首都ブリュッセルでコンゴのサマ・ルコンデ首相に目録を手渡した。AFP通信によると、返還の対象は「王立中央アフリカ博物館」の収蔵品の約7割に当たるといい、サマ・ルコンデ氏は「歴史的な瞬間」と歓迎した。

 コンゴは元々、ベルギー国王レオポルド2世(在位1865~1909年)が1885年に「私領地」として支配下に置いた。1960年に独立を果たすまで続いたベルギーによる支配は、コンゴの人々を劣悪な環境で働かせて搾取した、と批判を受けている。近年、ベルギー国内でもアフリカ系の若者を中心に過去の植民地主義への反省や謝罪を求める声が広がっている。特に2020年に米国で始まった「ブラック・ライブズ・マター(黒…

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