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資源・エネルギー 鎌田浩毅の役に立つ地学

原始地球の「マグマオーシャン」 冷える過程で磁場と「層」形成/96

 46億年前に地球が誕生した後、その表面には宇宙を漂っている隕石(いんせき)や微惑星が盛んに降り注いでいた。これらは次々と地球に引き寄せられて衝突し、地球と合体することで地球のサイズが次第に大きくなっていった。

 その際には莫大(ばくだい)な熱エネルギーが生じ、地球の表面はセ氏1500度以上の高温のマグマで覆われることになる。コンピューターのシミュレーションによると、最初の「原始地球」の大きさが現在の直径の2分の1より大きくなると、表面全体が溶け始める。

 マグマ層の厚さは2000キロにも達したと推定され、地球の直径の3分の1近くが溶融したことになる。マグマが海のように地表を熱く覆ったため「マグマオーシャン」と呼ばれている(図)。

 46億年前から40億年前までの数億年間、「火の玉地球」の表面に絶え間なく降り注ぐ微惑星が衝突する際に与えられるエネルギーによって、マグマオーシャンの高温は維持されていた。また、原始地球の周りには水蒸気が取り巻いているため、その温室効果によって保温状態がさらに維持されることになった。

 ちなみに、マグマオーシャンの時代は約40億年前まで続くため、地表が冷えて岩石の陸地ができるのはそれ以後である。そのため地球上には40億年より前の岩石は残されていない。また、地球上に降り注いできた隕石の年代を調べたところ、46億年以上の古いものが見つかっていないことから、地球誕生の時期は約46億年前と考えられている。

マントルなどへ分化

 さて、マグマオーシャンが時間とともに冷える過程で、中に含まれていた物質のうち密度の大きい鉄やニッケルは下方へ沈んでいった。一方、鉄より密度が小さい岩石成分は上へと昇っていった。さらに密度が小さな水や二酸化炭素などの揮発性成分は、地表から上空の宇…

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