教養・歴史小川仁志の哲学でスッキリ問題解決

自他共に認める天然キャラ。部署が変わったら同僚に疎まれるようになりました/126

 Q 自他共に認める天然キャラ。部署が変わったら同僚に疎まれるようになりました

 A 自我と非我の対立を可分性を用いて許容し、上手に客観性を取り込もう

 昔からよく天然キャラだと言われます。これまでの職場ではそれが認められ、それなりに人気者だったのですが、部署が変わってから否定的な言われ方も多くなり悩んでいます。

(事務職・20代男性)

 いわゆる天然キャラは人と違うことをしたり、言ったりして驚かれるタイプの人を言うことが多いですね。が、実は誰しもそういう側面があります。無意識のうちに人と違う言動をとってしまうのは、客観性を欠いているからだと思うのです。

 つまり、自分の心の中にあるものをそのまま表現してしまっているのです。だから周囲の人から見れば、不思議な人に思われたり、見られたりする。逆にそれをうまく生かしているのが、お笑いのボケでしょう。そこをツッコミ役が指摘することで、笑いが生まれ、天然キャラが評価されるわけです。

 相談者の場合、以前の職場ではツッコミ役がいたのだと思います。でも、今はその役目の人がいないため、ただの天然のボケになってしまったから悩まれているのでしょう。そこで参考になるのが、近代ドイツの哲学者ヨハン・ゴットリープ・フィヒテです。

ボケはツッコミで光る

 彼は人間のあり方について、「自我と非我」という二つのキーワードを使って説明します。フィヒテによると、原則として人間は自我…

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週刊エコノミスト

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