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資源・エネルギー 鎌田浩毅の役に立つ地学

地球に生まれた「原始海洋」 強酸の海と大気を水が循環/98

 地球では今から40億年ほど前になると、周囲にある微惑星はほとんど地球に取り込まれてしまい、微惑星の衝突が一段落した。そのころの地球は、現在とほぼ同じ大きさになったといわれている。微惑星の衝突が少なくなってくると、熱エネルギーの供給も少なくなり、地球表面が徐々に冷えてマグマオーシャンも消滅していった。

 地表の温度がセ氏500度まで下がったころ、水蒸気が凝結して雲ができ、大量の雨が地表に降り注ぎ始めた。初めのうちは文字通り「焼け石に水」であった状況が次第に変わっていった。雨によって地表の温度がさらに下がると、水がたまり始めていく。これが長い年月を経て海洋、すなわち「原始海洋」となった。

 原始海洋は現在とはまったく違う世界である。マグマに含まれている硫黄が水に溶け込み、硫酸などの強酸を大量に含む海水となった。温度は100~200度もあり、降り注ぐ雨も300度という高温だった。この時代の大気は100気圧以上もあり、現在の海では1000メートル以上も潜った圧力に相当する。

カリウムなどが中和

 一方、このころにできた海水量は、現在とほとんど変わらない。ちなみに、現在の地球は7割の大洋と3割の大陸で構成されるが、地球上には最初に大洋ができ、その後に大陸が成長して3割を占めるようになったのである。

 大洋と大気がほぼ同時に誕生することで、水は大洋と大気の間を循環するようになった。水は現在では、水蒸気(気体)→水(液体)→氷(固体)と形態を変化させながら地表を循環している。この循環には地球上の火山活動も大きな影響を与えた。マグマには水や二酸化炭素などガス成分が1割近く含まれており、火山噴火が大気と大洋の間で水の大規模な循環を促した。

 海の形成過程で水蒸気が大気から取り去られた結果、残された二酸化…

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