教養・歴史書評

魚屋の“映える”魚本と、80代“少女”の元気本=美村里江

鮮魚店主でバンドマン ポップで愉しい魚の本=美村里江

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 春先、新幹線の車内誌で日本の漁業について読んだ。自国海域の魚介類を国有の資源と考え管理する、そんな海外の取り組みに比べて日本は少しばかり後れを取っているという話が意外だった。島国として、漁場に恵まれてきた年月が長いためだろうか。

 そんな下地もあり楽しく読んだ『魚食え!コノヤロー!!!』(森田釣竿著、時事通信社、1760円)。浦安の鮮魚店主であり、フィッシュロック・バンドの包丁ボーカル……。この時点で興味深いが、何よりご自身のお店での魚紹介のページが楽しい。インスタグラムなどSNSを全くやらない私だが、これは「映えてる」写真と言えると思う。魚の種類だけでなく著者の表情も豊富だ。

「自分でさばいて食べてみよう。そうすると魚はもっと美味(おい)しいよ」というメッセージのため、「さばき難易度」とお店での「売れ線度」が★マークで表示され、オススメの調理法も添えてあるのが親切だ。

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