教養・歴史アートな時間

巨匠の初来日作を前に格別な高揚感=石川健次

ディエゴ・ベラスケス ≪卵を料理する老婆≫ 1618年 油彩・カンヴァス
ディエゴ・ベラスケス ≪卵を料理する老婆≫ 1618年 油彩・カンヴァス

美術 スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち

ベラスケス、ラファエロ、エル・グレコ……

西洋絵画史を彩る傑作の数々

 老婆が火にかけた陶器の鍋で卵を揚げている。暗がりに浮かび上がる厨房でのひとこまである。図版の作品だ。簡素な身なりで右手にスプーンを、左手に卵を持つ老婆の目は、かたわらの少年に向けられている。少年の左手にはガラス製の瓶、右手に抱えているのはメロンだ。画面手前のテーブルやそこかしこに素材の異なる器が並んでいる。

 柔らかなものは柔らかく、硬いものは硬く、それぞれの質感の違いまで巧みに描かれ、日常のふとした情景がリアルに再現されている。17世紀バロック美術を代表する画家として知られるディエゴ・ベラスケスの初期の代表作だ。この時、画家は「まだ18歳か19歳」(本展図録)。後に近代フランスの画家、マネが“画家の中の画家”と称えた才能を早くもうかがわせる1点だ。

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