任務も因縁も飛び越えて戦闘機乗りよどこへ行く=芝山幹郎
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映画
トップガン マーヴェリック
重力や世間の掟に逆らって「腕と度胸」で勝負を賭ける
戦闘機の空中戦はドッグファイトと呼ばれる。中学生でも知っている単語だが、ありようをよくとらえた表現だ。
とくに接近戦や乱戦。後ろへまわり、横から襲い、上になり下になりして、刻々と位置を変える。まさに空中を舞台にした猛犬の戦闘で、命がいくつあっても足りないほどスリルに満ちている。そんな題材を、映画が放っておくわけがない。
「地獄の天使」(1930年)から「スター・ウォーズ」(77年)を経て「トップガン」(86年)に至るまで。空中戦を扱った映画は枚挙にいとまがない。だが近年では、ドローンなどの急速な発達に伴って、空中戦が過去の遺物になりつつあるという。無人機の時代が到来すれば、パイロットの存在意義も薄れる。
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週刊エコノミスト
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