教養・歴史小川仁志の哲学でスッキリ問題解決

見た目に関して何かいうと「ルッキズム(外見至上主義)だ」と非難されます/131 

Q 見た目に関して何かいうと「ルッキズム(外見至上主義)だ」と非難されます

 見た目に関してあれこれいうと、「それ、ルッキズムじゃない」と、冷ややかな非難を浴びせられます。ただ、私はファッション業界に携わっているので、おしゃれであることを否定的にとらえる必要はないように思っているのですが……。(アパレル業界・30代男性)

A 「美の偏見」は機会均等や尊厳などの不平等、自己表現の権利の侵害を助長します

 ルッキズムの定義は、まだ定まったとはいえませんが、それが何らかの形で容姿に基づく差別を意味する点は、ある程度社会的に合意できているのではないでしょうか。そうした差別は、身体的特徴はもちろんのこと、服装に関するものまで多岐にわたっています。

 とりわけ注目されるのは、太っていることに対する偏見です。世界の多くの国で、太っていることはネガティブな印象を与える文化が共有されてしまっています。ファッションモデルの多くが、細いという事実が理由なのでしょう。

 しかし、細いのがよくて、太っているのが間違っているという価値観は、偏見以外の何ものでもありません。アメリカの法倫理学の専門家デボラ・L・ロードは、まさに「美の偏見」という原題を持つ著書の中で、この偏見に対する問題点を指摘しています。

寛容と抗議をセットに

 彼女によると、容姿差別が問題なのは、まず機会均等や個人の尊厳の原理に反するからです。たしかに、美…

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週刊エコノミスト

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