週刊エコノミスト Online 日本政治とテロ
白刃が巨体に一直線に突き刺さった……政治家への凶行「浅沼稲次郎・社会党委員長暗殺事件」
自民党の安倍晋三元首相が、参院選の街頭演説中に銃で撃たれ死亡した。首相経験者が襲撃され死亡した事件は戦後に例がないが、大物政治家を狙った事件で真っ先に思い浮かぶのは、1960年の浅沼稲次郎・社会党委員長の暗殺事件だ。浅沼氏は同年10月12日、安保闘争後の初の解散・総選挙をにらんで東京・日比谷公会堂で開催された「三党首大演説会」で、17歳の右翼少年に刺殺された。
週刊エコノミストでは1986年2月、作家・井出孫六氏による連載「東京歴史紀行 昭和史の現場を歩く」の第32回で、浅沼委員長暗殺事件を採り上げた。井出氏は、現場でテレビカメラを回し続けたディレクターらの証言を基に、当時の生々しい状況を伝えている。
当時の誌面を紹介する。