教養・歴史小川仁志の哲学でスッキリ問題解決

メタバース関連ビジネスは一過性、それとも近未来のインフラ?/135

Q メタバース関連ビジネスは一過性、それとも近未来のインフラ?

 最近メタバース(仮想空間の一種)関連のビジネスが過熱していますが、これは一過性のブームで終わるのか。それともインターネットのようなインフラになるのか、今後のビジネスの方向性も絡んでくるので気になります。(IT企業勤務・30代女性)

A 「Reality+」の考えのもと、現実と仮想現実は一体化し、人間の可能性は広がります

 たしかにフェイスブックが社名を「メタ社」に変えてまで、メタバースをビジネスの主軸にしていくと宣言して以来、テック企業(ITテクノロジーを活用しビジネスを展開する企業)を中心にさまざまな業種が参入しつつありますよね。発想としてはインターネットの立体版ですから、より魅力的なもう一つの世界が誕生するのではないかと期待がかかります。

 しかし、これは世界のとらえ方や人の価値観まで大きく変える話であるだけに、哲学的考察が必要であるように思います。いち早くこの点について論じているのが、オーストラリア出身の哲学者デイヴィッド・チャーマーズです。

 彼は、「Reality+」という概念を掲げ、現実と仮想現実の世界が一体となった世界を想定しています。それがメタバースだというのです。人はあたかも現実を生きるかのように、仮想空間で生きることができるのです。

もう一つの人生を得る

 このような仮想空間については、現実逃避の場と化してしまうのではないかとの危惧があります。実際、メタバースを推進するメタ社のCMでは、現実世界では得られない仮想世界での満足を強調しています。

 対してチャーマーズは、そもそも現実と仮想現実に区別などないと喝破…

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週刊エコノミスト

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