教養・歴史小川仁志の哲学でスッキリ問題解決

ユニークで面白いアイデアや発想が浮かばず、遊び心がないといわれます/136 

Q ユニークで面白いアイデアや発想が浮かばず、遊び心がないといわれます

 まじめな性格が災いしてか、面白いアイデアを出したり、ユニークな発想をすることが苦手です。上司からも遊び心がないといわれます。どうすればいいでしょうか?(流通業企画担当・30代男性)

A すべては遊びの延長線上にあり。3種類の“遊びという活動”を心がけよう

 最近はどの分野でもイノベーションなど新しい発想が求められますから、遊び心がないと困りますよね。そもそもアイデアやイノベーションというのは遊びの延長線上にあるものだからです。

 私たちはどうしても遊びと仕事を分けて考えてしまいがちです。でも、アイデアを出すとなると、もう遊びも仕事も区別がつかなくなるのではないでしょうか。実際そのように明言しているのは、アメリカの思想家E・H・エリクソンです。

 彼はアイデンティティーの概念の提唱者として知られる発達心理学者でもあります。アイデンティティーは自己同一性などと訳されますが、自分が何者であるか、わかっているということです。そのエリクソンが、遊びを3種類に分類しています。身体感覚との遊びを意味する「自己領域」、玩具を用いた遊びの「小領域」、他者との遊びである「大領域」がそれです。

想像の世界の料理人

 これは子どもの遊びを念頭に置いたものですが、大人にも当てはまるものだといいます。大人もまた、仕事で何か考える際に遊びという活動をしているのです。まず、その活動を「思考」と呼ばれる自己領域の中で開始し、さらには実験室の中や製図板の上で事態のひな型を創ることによって、過去から未来を創造的に予測し、未来への希望を強めるというわけです。

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