教養・歴史書評

モモンガもいいけれど、一番はドバトの「ホバ」の話=美村里江 

あふれんばかりの生物愛

「ハト観」が変わる読書体験

×月×日

 家の風呂場には曇りガラスの小窓があり、その外に時折、ドバトがうずくまっている。私はキジバトの羽模様が好きなので、「またドバトか」、くらいにしか思っていなかった。

 しかし本書を読んで「ハト観」が変わった。『動物行動学者、モモンガに怒られる』(小林朋道著、山と溪谷社、1925円)。タイトルのモモンガの章も楽しかったが、一番は翼のけがから保護、その後飛べなくなり9年飼育していたという、ドバトの「ホバ」の話だ。

 賢い鳥といえばオウムやカラスが有名だが、ホバの記録を読むと人に懐くようだ。不安を感じると著者に寄ってきて指にくちばしを擦り付け、仲間同士のあいさつをして落ち着こうとする様子など、可愛らしい。

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