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国際・政治 ワシントンDC

米国への投資勧誘の裏にある保護主義と対中警戒=溝口健一郎

会場ではレモンド長官(左)と日立の現地代表との対談も開かれた 筆者撮影
会場ではレモンド長官(左)と日立の現地代表との対談も開かれた 筆者撮影

投資呼び込む一大イベント 「アメリカを選んで!」=溝口健一郎

 6月末に「2022セレクトUSA投資サミット」がワシントンDC近郊で開かれた。米国商務省が主催し、海外からの直接投資を勧誘する一大イベントである。今年は70カ国・地域の政府や民間企業から3600人超が参加した。会場ではパネルディスカッションや講演が開かれ、各州が設置した展示ブースで投資環境の優秀さを競い合う。あたかもラスベガスで開かれる企業見本市の趣である。

 投資先の国として米国は10年連続で1位を維持している。市場の大きさや企業規制の透明性などが背景にあるが「アメリカを選んで!」と連邦政府や州政府が積極的に働きかけている効果も大きい。

 イベントの冒頭、レモンド商務長官は「米国政府は海外投資家にとって最適な事業環境を提供するために労働者育成プログラム、製造業の米国回帰、研究開発、許認可手続きの共通化などを進める」と熱弁を振るった。続いて、バイデン大統領がビデオメッセージで「みんな、今こそが米国に投資するベストの時だ!」と訴えた。

 新型コロナウイルスの影響で20年は中止、21年はオンライン開催となり、3年ぶりの対面開催に、会場は熱気にあふれていた。海外からの参加者同士が世界の投資環境や景気見通しなどの情報を交換。参加希望者が多く、途中で参加申し込みを断ったのは11年に始まったセレクトUSAの歴史始まって以来のことだという。

参加国の顔ぶれも変容

 民主、共和の各党支持者間で分断が広がる米国社会だが、海外からの投資に関しては党派を超えて歓迎する。民主党のレモンド長官が、台湾企業のグローバルウェーハズがテキサス州に50億ドルを投資してシリコンウエハー工場を建設すると発表すると、移民問題や銃規制などで大統領と鋭く対立する共和党…

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