週刊エコノミスト Onlineグラフの声を聞く

減少が加速する日本のエネルギー消費=市岡繁男

 英BP社が2022年版のエネルギー統計を発表した。主なポイントは、(1)21年の世界の1次エネルギー消費量(石油、天然ガス、石炭、再生可能エネルギー等の合計)は前年比5.8%増と過去最大の伸び、(2)そのほとんどは新興国によるもので、先進国の消費量は19年の水準を下回る、(3)昨年、急増したのは再エネの分野で、化石燃料の消費量は19年とほぼ同じだった、(4)石油消費の落ち込みを天然ガスと石炭が補った、というものだ。

 この他、筆者が注目したのは日本の種類別エネルギー消費量の推移だ(図1)。(1)20年の石油消費量は1968年以来の水準に低下し、21年も前年比2%未満の増加にとどまる、(2)石油と天然ガスを合わせた消費量も四半世紀前の96年がピーク、(3)石炭や原子力等を加えた1次エネルギー消費は昨年、05年のピーク比2割も減少。(4)1次エネルギー消費量と名目国内総生産(GDP)の乖離(かいり)が広がっている…

残り186文字(全文596文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

5月14日・21日合併号

ストップ!人口半減16 「自立持続可能」は全国65自治体 個性伸ばす「開成町」「忍野村」■荒木涼子/村田晋一郎19 地方の活路 カギは「多極集住」と高品質観光業 「よそ者・若者・ばか者」を生かせ■冨山和彦20 「人口減」のウソを斬る 地方消失の真因は若年女性の流出■天野馨南子25 労働力不足 203 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事