中国住宅バブル崩壊の行く末=市岡繁男
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中国の主要70都市平均・新築住宅価格は今年6月、10カ月連続で前月を下回った。前年比では1.3%の下落で、2015年9月以来のマイナス幅となった。住宅販売は急減し、巨額の負債を抱えたデベロッパーは窮地に陥っている。
中国では物件の引き渡し前に代金を決済することが普通だ。ところが今、決済後に建築工事が止まって引き渡しを受けられない案件が続出。これに対し、未完成物件の所有者がローンの支払いを拒否する動きが全国に広がっている。
報道によると「4大国有銀行を中心に最大1兆5000億元(約30兆円)の住宅ローンが未完成住宅プロジェクトに関連する」という。銀行が未完成の住宅を差し押さえても貸金の回収は難しいので、社会の安定と金融の安定の両方が危うくなる可能性も否定できない。
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週刊エコノミスト
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