新規会員は2カ月無料!「年末とくとくキャンペーン」実施中です!

教養・歴史 小川仁志の哲学でスッキリ問題解決

時間を有効に使うべきなのに、だらだらしてしまいます/139

Q 時間を有効に使うべきなのに、だらだらしてしまいます

 朝なかなか布団から出られないのに始まり、やらなければならない仕事に着手できないなど、どうしてもだらだらしてしまいます。もっと時間を有効に使うべきだとは思うのですが、つい明日からにしようと自分に言い訳してしまいます。(食品加工会社勤務・30代男性)

A 生きているうちに、許されている間に必要なことを成し、善き人たれ

 時間を有効に使えないというのは、かつて私も抱いていた悩みです。哲学を始める前のことでした。相談者と同じように、布団からもなかなか出られませんでした。そんな時に出会ったのが、古代ローマの哲学者マルクス・アウレーリウスのこんな言葉でした。

「人間のつとめを果たすために私は起きるのだ」

 思わずハッとしたのを覚えています。ローマ皇帝として多忙な日常を送る中、思索を続けた人物だけあって、含蓄のある言葉でした。自分という人間は夜具の中にもぐりこんで身を温めているために創られたのか。そう問いかける彼の言葉に目が覚めました。自分にも使命があるはずだと。

不必要な思想の見極め

 朝に限らず、だらだらと過ごしてしまうのは、人間の本質なのでしょう。おそらくそれは死を意識していないからです。だからアウレーリウスは、あたかも1万年も生きるかのように行動するなというのです。生きているうちに、許されている間に、善き人たれと。

 そう、私たちの時間は限られているのです。では、その限られた時間をどう有効に使えばいいのか?アウレーリウスは、必要なことのみをせよといいます。時間を有効に使うというのは、決して時間貧乏になることでも徒(いたずら)に生産性を高めるこ…

残り666文字(全文1366文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)が、今なら2ヶ月0円

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

12月3日号

経済学の現在地16 米国分断解消のカギとなる共感 主流派経済学の課題に重なる■安藤大介18 インタビュー 野中 郁次郎 一橋大学名誉教授 「全身全霊で相手に共感し可能となる暗黙知の共有」20 共同体メカニズム 危機の時代にこそ増す必要性 信頼・利他・互恵・徳で活性化 ■大垣 昌夫23 Q&A [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事