精神矯正されたはずの元無頼刑事が古巣の街で大爆発=寺脇研
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映画 激怒 RAGEAHOLIC
自警団が支配する異世界で噴出する怒りの鉄拳=寺脇研
今年の夏のうだるような暑さの連続は、コロナ第7波の襲来と相まって不快感を増幅させる一方だ。そこへ持ってきて、元首相への銃撃事件、明らかになった怪しい宗教団体の跋扈(ばっこ)……。『激怒』の2文字が、こんなにも身に迫って感じられるようになるとは思わなかった。主人公が目を剥(む)いて鉄拳に怒りをこめるポスター図柄も、決して大げさには見えない。
もちろん、これはフィクションの娯楽映画だ。でも、この架空の町に漂う不穏な空気と、我々が暮らす実社会との間の距離感は、そう大きく開いていなさそうだ。町内に暮らす引きこもりの中年男を排除するため押しかける「自警団」の男女は最初から殺気立っているし、応戦する男もヤケクソの激しい暴力で抵抗する。
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週刊エコノミスト
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