教養・歴史アートな時間

精神矯正されたはずの元無頼刑事が古巣の街で大爆発=寺脇研

Ⓒ映画『激怒』製作委員会
Ⓒ映画『激怒』製作委員会

映画 激怒 RAGEAHOLIC

自警団が支配する異世界で噴出する怒りの鉄拳=寺脇研

 今年の夏のうだるような暑さの連続は、コロナ第7波の襲来と相まって不快感を増幅させる一方だ。そこへ持ってきて、元首相への銃撃事件、明らかになった怪しい宗教団体の跋扈(ばっこ)……。『激怒』の2文字が、こんなにも身に迫って感じられるようになるとは思わなかった。主人公が目を剥(む)いて鉄拳に怒りをこめるポスター図柄も、決して大げさには見えない。

 もちろん、これはフィクションの娯楽映画だ。でも、この架空の町に漂う不穏な空気と、我々が暮らす実社会との間の距離感は、そう大きく開いていなさそうだ。町内に暮らす引きこもりの中年男を排除するため押しかける「自警団」の男女は最初から殺気立っているし、応戦する男もヤケクソの激しい暴力で抵抗する。

残り901文字(全文1258文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で過去8号分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

6月13日号

電力が無料になる日 NTT、東電、トヨタが拓く未来14 NTT、東電、トヨタの共闘 捨てる再エネは「宝の山」 ■金山 隆一18 インタビュー 森島龍太・電池サプライチェーン協議会業務執行理事 「電池は国家のエネルギー戦略そのもの」19 電池のリユースは自動車業界の命綱 ■藤後 精一20 EV電池の送 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事