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資源・エネルギー 鎌田浩毅の役に立つ地学

桜島/2 次の大規模噴火は2020年代

地下のマグマは大正噴火で出た量の9割まで回復/112

 鹿児島市の桜島が7月24日に噴火し、南岳山頂火口から2.5キロメートルまで噴石を飛ばしたため、噴火警戒レベルは最も高い「5」になった。その後は小康状態となり、噴火警戒レベル「3」に引き下げられたが、火山活動を「長尺の目」で見ればまったく気は抜けない。

 桜島では1914(大正3)年に、20世紀最大規模の「大正噴火」が起きた。その後もたびたび噴火を繰り返し、1950年ごろに昭和火口から南岳山頂火口に活動の中心が移ったが、2000年代に入って再び昭和火口が活発化している。

 大正噴火では桜島の東と西に開いた火口から大量のマグマが噴出し、西麓(せいろく)には高温の火砕流が流下した。火口の東麓(とうろく)にある黒髪神社の高さ約3メートルの鳥居が軽石や火山灰によってわずか1日で埋没し、結果として58人の犠牲者を出した。さらに、南西に流れ出した大量の溶岩流が大隅半島との海峡を埋めて、桜島が陸続きになった。

 もし、大正噴火クラスの噴火が起きて火山灰が出た場合、鹿児島湾の対岸にある鹿児島市街地に約1メートルも降り積もる。交通機関はまひし、場所によっては古い木造家屋が倒壊する危険がある。さらに、強い西風が吹くと、火山灰は関東まで飛来する恐れもある。

地盤が徐々に上昇

 長年観測を続けてきた京都大学防災研究所の桜島火山観測所によれば、桜島南岳の5キロメートル下のマグマだまりには、鹿児島湾中央の深さ10キロメートルにある姶良(あいら)カルデラのマグマだまりから、年間1000万立方メートルずつマグマが供給されている(本連載の第52回を参照)。

 1946年の噴火では溶岩流を噴出し、地下のマグマ量はやや減ったが、現在は大正噴火で出たマグマの9割がすでに蓄積…

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週刊エコノミスト

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