ファグラダルスフィヤル火山(アイスランド)巨大な割れ目噴火
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1986年の伊豆大島と同じ噴火形態/114
北大西洋の島国アイスランドのレイキャネス半島にあるファグラダルスフィヤル火山が8月3日、大量のマグマを噴出した。首都レイキャビクから約32キロメートル南西にある活火山だが、昨年3月に約800年ぶりに始まった噴火が大規模に再開した。
上空約30メートルまで真っ赤に溶けたマグマを放出し、火口からリボン状の表面を持つ溶岩が流出し大地を覆った。この動画は世界を駆け巡り、観光客と科学者が大地の生み出す驚異の現象を見ようと集まっている。アイスランドは地球を覆うプレート(岩板)が誕生する場所である。その多くは深海にあるが、陸上でプレートの生成が観察できる世界でもまれな場所なのだ(本連載の第71回を参照)。
噴火が始まったメラタリル渓谷は、大西洋中央海嶺(かいれい)が南北に貫いており、西側の北米プレートと東側のユーラシアプレートが年間3センチメートルというゆっくりとした速度で離れている。地下ではマントルから生成された玄武岩マグマが地上の裂け目を利用して、長さ約300メートルの線上に火口を開けてマグマを噴出した。これは「割れ目噴火」と呼ばれる現象で、日本では1986年の伊豆大島の噴火で見られたものである。
ちなみに、伊豆大島の割れ目噴火では当時、島にいた約1万人が全島避難したが、メラタリル渓谷に並ぶ噴火口は居住地域から遠いため、今のところインフラへの被害はなく、さらに上空を飛行する航空機への危険性も低いと考えられている。
火山灰の危険なし
この地域では2019年から地震が増え始め、昨年3月に最初の割れ目噴火がゲルディンガダールル谷で始まった。亀裂からマグマが噴き出し、「火砕丘」と呼ばれる噴出物が円すい状に降り積もった丘ができた後、しばらく噴火が休止した…
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週刊エコノミスト
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