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教養・歴史書評

「神道とは?」根本の問いを多くの文献にあたり真摯に探究した本 高部知子

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 先日、お世話になっている大学の関係者と話をしていたら、この数年、通信制が人気になっているという。さもありなん……と思う。コロナの影響で学部生、院生ともに多くがオンライン授業で、通信制と変わりがないといえばそうなるだろう。通勤時間や余暇のあり方が変化し、社会人で時間を捻出できる人が多くなったという背景もあるかもしれない。

 で、どんな科目が人気なのかと尋ねたら、その方いわく「仏教/宗教学」で特に50代以降の人気が高いという。なるほどと思う。実は私も若輩ではあるが、一応自立して住職になれる僧階を有しており、学部と院では心理学、精神医学を学んできたが、これらは全部、子育てが落ち着いた30代からの学びであった。そのため仏教や宗教学は、歴史や社会構造がある程度俯瞰(ふかん)できる年齢になってからの方が、がぜんおもしろくなることが非常によく分かる。

 今回、私が読んだ本は『教養としての神道 生きのびる神々』(島薗進著、東洋経済新報社、1980円)。著者の島薗氏は宗教関連の勉強をすれば必ずどこかで学ぶ有名な研究者なので、これは専門書すぎて読むのに骨が折れるのでは?と思ったが、いい意味で裏切られた感がある。まず神道という広大な世界を「神道とはなにか」という非常に明確だが、しかし誰もこれという正答を聞いたことがない問いで切り取り、ひたすらこの問い一本に絞って古代から現代までの移り変わりを論じていく。特に明治期の廃仏毀釈(きしゃく)につながる大きな転換期で、何が意図して創られ、何が土着で生き残り、そして現代へとつながっているのか、このあたりの仕分けが明瞭で、しかも研究者らしく折々に根拠を示しながら説得力ある道筋を示していく。

 例えば、伊勢神宮では天皇家の女性が祭祀(さいし)を務めるというしきたりがあると思っていたが、この制度は戦後にできたものだという。また同じように天皇家の女性が出雲大社…

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