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国際・政治 闘論席

三つの50周年が照らす日中関係の今 片山杜秀

撮影 中村琢磨
撮影 中村琢磨

片山杜秀の闘論席

 1972年2月21日、ニクソン大統領が北京を訪問。5月15日、沖縄返還。9月29日、日本は中華人民共和国と国交を結び、中華民国とは国交断絶に至る。そろって今年が50周年。

 当たり前だが、沖縄返還はにわかに実現したのではない。60年に岸信介内閣は米国との安全保障条約を改定した。両国が条約を見直す節目の年は10年後に設定された。つまり70年である。64年に成立した佐藤栄作内閣は米国にこう説明したろう。日本国民の反米感情は根強い。70年には、60年を凌(しの)ぐ水準で反安保闘争が激化するかもしれない。国民感情を親米に傾ける工夫が要る。沖縄返還しかない。

 米国はそれを理解した。だが、沖縄の米軍基地は手放せない。共産主義の大国、中華人民共和国から、親米の中華民国を防衛するために、とりわけ必要だからだ。そこで基地は残して72年に返還すると、69年に決まった。

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