邦銀のドル調達が円安を加速する? 市岡繁男
有料記事
韓国中銀は昨年から7回も利上げし、ウォン安を阻止するため為替介入を検討しているという。これに対し日銀は介入どころか、長期金利が一定水準を超えないよう国債を買い支え、円安進行を放置している。
この日銀の姿勢を歓迎しているのは在日外銀で、低利の円資金を調達し、それをドルに替えて外債に投資する取引(円キャリートレード)を積極化している。外銀の負債残高増と円安が連動しているのはその表れで(図1)、彼らは円高にならない限り、内外金利差を享受できる。
円安が加速している要因は他にもある。2015年以降の対外・対内債券投資の累計額をみると、対外投資は71兆円で20年3月のピークから18兆円減だ。他方、対内投資は86兆円で15年から増加する一方だ。注目は「対内−対外」投資とドル・円が連動していることだ(図2)。
残り220文字(全文573文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める